カラスが真っ黒な鳥である事は、周知の事実です。
カラスによっては灰色っぽいとか、青っぽいとか微妙な違いはあるかもしれませんが、カラスの色はおおむね「黒」とされています。
そんな大きな特徴から、カラスという語を使った言葉には、色にまつわるものが多くあります。

「烏の雌雄」…カラスがオスもメスも真っ黒で、区別が難しいことから、善悪や是非の見分けが外見では なかなかつきにくいことの例え。

「烏羽の文字」…カラスの羽に墨で書いた文字の意から、そのままの状態では読む事が出来ないことの例え。

「烏の頭が白くなる」…ありえないことの例え。

「烏はいくら洗っても鷺にはならぬ」…生来のものをいくら変えようとしても無理な事だと言う例え。

「烏を鷺」…黒い鳥を白い鷺だと言い張る事から、不合理な事柄を無理やり正当化しようとすること。

「烏の濡れ羽色」…髪の毛が黒くてつややかな事の例え。

日本では昔から「白黒をはっきりつける」等というように、黒はあまり良くない事のイメージに使われがちです。 それゆえに、カラスという鳥の色の程度の高さが、こうした例えに使われるようになったのでしょう。
カラスにとっては名誉なのか不名誉なのか…実際にどう思っているかは誰にもわからないことですね。