当店の明がらすにイメージされたカラスは3本足のカラスである事は御存知でしょうか?
3本足のカラスは神様の使いであり、大変縁起の良いものとされています。
では何故カラスが神様の使いとされたのでしょうか?そして3本足のカラスとは・・・?
中国の天文・方位学の古書である「淮南子」(えなんじ)には、『日の中に跋烏 (うずくまったカラス)あり』 として、太陽がカラスの住みかであると記されています。
淮南子は2000年以上も前の文献ですが、太陽の黒点を見て、このように記したものと考えられます。
当時、どのように黒点を観測出来たかは定かではありませんが、おそらく部分日食の際に太陽の表面の黒いものを見てそう考えたのではないかといわれています。
太陽とカラスに関するおはなしは、日本書紀の中にも記されています。
それは神武天皇が東征により、熊野の地に赴いた時、天照大神が天皇の道案内としてカラスを遣わしたという物語です。
天照大神は太陽の神様であり、その使者としてカラスが遣わされたというのは先の話と合わせて興味深いですね。
そして、天皇がカラスの案内によりたどり着いた熊野本宮大社には、3本足のカラスをモチーフとした旗 があるのです。
この「3本足」が意味するものは、当時神武天皇に組した熊野の三豪族を象徴したものだと言われています。
古代の人々にとって、神聖なものであった太陽、そしてそこに住むといわれたカラスはやはり特別な存在だったのかもしれません。