お中元と熨斗の豆知識
お中元は一般的に7月初旬から15日ころまでに贈るものとされています。その時期から遅れてしまった場合は「お中元」を「暑中御見舞」に、さらにその後は「残暑御見舞」に代えて送ると良いでしょう。
ただしこれは地域により様々な慣わしがあり、また、贈る方との関係や贈るものの特性によっても変わって来ますので、絶対にこうしなければならない!というものでもありません。
またお中元は日ごろの感謝の気持ちを表すものですから、先方が喪中であっても贈ることが出来ます。
お中元の一般的なのしは「紅白蝶結びのし」です。これは何回繰り返しても良い祝い事に使われるもので、反対に「紅白結びきりのし」は結婚や快気祝いなど一回限りのお祝い事に使うものとなります。
「のし」にはもともと海産物のアワビを干したもの(熨斗鮑)が使われてきました。アワビは長寿を表す縁起物でもあり武運長久に通じるとされていたため、神事への献上や陣中見舞いなどに熨斗鮑を贈る風習があったのです。時代と共にその風習が簡略化され、紙で作った飾りや水引を使ったものを鮑の代わりに使うようになりました。また全てを印刷したものも生まれ現在よく使われている「熨斗」になったと考えられています。
輪のしは主に熨斗が印刷化される前、昭和40年代まではよく使われていたようです。一個一個が手作りのため、印刷のものより丁寧な形として先方に気持ちを伝えることが出来るという利点がございます。
市販の水引や色紙を使ってオリジナルのしやかけ紙を作るのも素敵ですね。毎年のことですので、どうしても形式的な贈り物になりがちな季節のご挨拶。だからこそ改めて文字で感謝の気持ちを伝えたり、手をかけたパッケージで想いを伝える贈り物に仕上げるひと手間で印象的なギフトを演出するのはいかがでしょうか。